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まさにアレこそアレ。

 傍聴しに行くたび、当事者として法廷に出るような事態は自ら招くまいと決意し直す。それから高齢の弁護士は災厄だとも実感する。

 

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裁判傍聴メモ(ノートから吸い上げ)

 傍聴しに裁判所を訪問したのは2008年が初めて。当時からテレビドラマに愛想が尽きており、とくに2時間ドラマの法廷シーンがたまらなく嫌だった。

 テレビ視聴者はすべてにおいて傍観者であるはずなのに、与えられる法廷シーンの目線は、どういう訳か“柵の内側”。裁判官はだいたい真正面に見すえるけど、証人や被告のことも真正面やななめ前から見られちゃう。弁護側・検察の背後から、証人・被告の表情が見られちゃう。その辺の作り物臭さとテンプレートが嫌で、本物を見に行こう!と興味が行動を起こせるまで高まったというわけ。

 今日も裁判所に行ってきた。9回目の霞が関かなと思ったが傍聴用ノートをよく見返してみたら8回目だった。年1回だったり半年に1回だったり3ヶ月後にまた行ったり。行く周期はぜんぜん定まってない。気が向いたら行く。本当は、今日見た裁判の次回公判も行きたいんだけどね。次の開催日に合わせて仕事休むような傍聴中心の生活はしたくないかなあ。

 傍聴していて感じた事学習した事を、ささいな内容だけどノートと記憶からこちらにコピーしておく。


 2008年5月。初めて出かける前、とりあえず傍聴経験者のサイトやブログをチェックして、作法とか注意点とか予備知識で頭でっかちにしておいた。【傍聴バッグ】という物を用意して、持ち込む筆記用具も傍聴専用に確保。B6のキャンパスノート、ボールペン、鉛筆&消しゴム、時計。

 筆記用具は必須だ。傍聴するとき法廷のなかを記録するかしないかは本人の自由。でも、メモとペンはあったほうが良い。なぜなら当日行われる裁判のスケジュールは、固定の場所に束となって「閲覧専用」で設置されているからだ。

 束は2、3部ずつコピーされていて複数名が同時に見ることができるようになっているけど、どちらもすぐ傍らに警備員が居て、彼らは目を光らせている。束の並び順を乱すことは許されず、たとえば3つ隣りの束を自分の方に引き寄せようものなら直ぐに静止される。「(束ではなく)自分が動いて見てくれ」と。

 そんな環境だから束を自分のものとして持ち去ることはできないし、筆記用具を持ってないからと言ってコピーするため借りたり、メモ替わりにカメラで撮影したりすることも困難だ。スケジュール置き場には「館内撮影禁止」の札が立っている。

 ちなみに束は高裁民事・高裁刑事・知財・地裁民事・地裁刑事といった分かれ方。さらにページは法廷別になっていて、午前9時台から午後4時台までの時系列で、その日その法廷で開廷する裁判の情報が一覧できるようになっている。

 傍聴券が発行される裁判だったら場所と時間を事前にウェブサイトで知れるけど、一般の裁判は、関係者でない限りその日行ってみないと何があるのか分からない。記憶力に自信があるなら暗記すれば済む話だが、どうせなら1階にいるあいだに法廷3つ分か4つ分に目星をつけて、全部ノートやメモ帳に書き付けちゃったほうがらくちん。そういう考え方に到達して実行している。そういう手法に至ったのも傍聴するたび学習していった。  つづく

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