≡ Sturm und Donnerschlag ≡
不信を裏切ってくれずガッカリ
今年の春アニメ「秘密 The Revelation」の一部をネット上で見た。感想と一言で表すと「・・・・・・・・・」だ。あきれての絶句。なんじゃこりゃ。
清水玲子の『秘密』シリーズはくり返し読んでおり、その度感動している。好きなエピソードは前期(?)のもの。具体的には-1999-(ケビン)と-2001-(天地)、-2003-(ジップ)。アニメ公式で話数を確認し、原作がある回のみを一気に見た。公式サイトのアニメ絵とキャストがとても歓迎できない品質だったため、毎週1話ずつ追って見る気になれなかった。
映像化に際してマンガの絵柄が失われることは100歩ゆずれる。薪室長の迫力が希薄で残念なことやタレ目が気持ち悪いこと、天地の性格が低俗なただのドジ娘にされてしまったのもグッとこらえよう。一番ショックだったのは青木の人物設定である。ケビンの一部を混ぜやがって最悪だ! fackin' shit! 薪と青木で大統領の事件に取り組むことは予想できた。青木に読唇術の技能をもたせたのもしょうがない。しかし“青木は実姉に恋慕している”設定にするのは止めてほしかった。ケビンと母の親子だったからこの設定は魅力があったのに・・・ケビンだからこそ良かったものなのに・・・。ショボーン (´・ω・`) である。
大統領事件の回。三点気になった。(1)大統領が絶命するシーン、あそこは変えてしまう必要があったのか? 理解できない。「お前の知能が低いからだよ」というなら阿呆にも解るように解説しておくれ。サイフを取り戻すため犯人に歯向かってしまう所で大統領の気持ちが伝わり良い演出と思ったのだが。 (2)重要人物とされたマシューを殺した点もなに故かわからない。 (3)警察のキャリア組で構成されているはずの第九メンバーがアメリカ英会話できないこと。FBIが「Oh, 日本語デドウゾ」などやるか・・・? 原作に設定ないけど薪・岡部・鈴木・天地、あと青木の先輩の1人(メガネ)はバイ(マルチ)リンガルなイメージ。彼らは日本の大学じゃなくて海外の学校を卒業してなくちゃ、MRIできないと思う。
露口絹子の回。こちらも三点。(1)平井学少年の声にがっかりした。合わないだけ。もっとショタがときめくような声にしてほしかった。 (2)しょぼいアニメになって薪と絹子の容姿端麗という設定が消滅してるの情けない。(3)この原作のラスト、ジップの脳映像を見ながら青木が泣くページがとくに好きなのだが、アニメではことごとく感動をあたえてはくれなくて失笑してしまった。青木はその場でお父さんの日記開いちゃったし。その上バックミュージックが青木のモノローグと台無しにしていて原作者に同情したくなった。(清水さんが出来映えを賞賛していたらどうしようか)
映像化にはみじんも期待していなかった。どうせ、と思った事が現実になりやっぱりね、と確かめておしまい。始まる前から判っている失望を裏切ってくれる作品はないものか。(モノノ怪や涼宮ハルヒ等、放映前から期待できた作品除外で)来月開始の夏目友人帳は、どうかどうかこんな偏差値40(失礼)アニメにはならないように。心配だ。